農業経営者訪問シリーズ①
立地条件を最大限有効的に
柑橘に関わらず敵地敵作という言葉通り作物の名産・産地には好条件が揃っているわけであります。
柑橘であれは日照を長く受けられ水はけの良い傾斜地条件や程よい潮風など。好条件が揃う産地では確かに食味などの品質が高く和歌山や愛媛、長崎、静岡など既にブランド化され市場は繁盛する。
しかし長年それが当たり前になり、そのブランドに胡座をかいていて慢心して努力を怠ってしまうと。その好条件の中では知恵を出す能力が磨かれてないため、新しいことにチャレンジしたり他人のアドバイスに耳を傾けないといった耳の痛い話しがあることも事実である。逆に悪条件の中でこそ工夫や知恵が磨かれるものであると思います。これは自然の動植物界では適応して進化と言う。
今回は、お師匠さんが連れていって下さった山奥の里山で農業を営むプロの農業経営者様の訪問記録です。
1週1トン出荷の考え方
例えば私が後継者となる義父は温州みかんの生産がメインで約2町(9,917ヘクタール)で生産している。その中で清美・マンダリンオレンジなどの雑柑類を生産して出荷時期をずらしている。私のお師匠さんは温州みかんの他にコデマリや米といった繁忙期以外の期間をうまく埋めて多角的に農業経営している。私もお師匠さんをお手本として経営者目標としているのであります。
56週の考えで56トンを出荷→1000万越え
5月→山椒 6月→梅 9-11月→柿 9-1→温州みかん 2-3月→雑柑 10月→レモン 11月→キウイフルーツ
有田みかんの山肌とは大きく景色が違う。写真左は柿、右は温州みかん。適量多品種生産で作業効率を考えた園地となっている。そのため例えばモノラックなどの園地運搬の為の大規模な設備投資の節約を行い手堅く収穫、出荷がじゅうぶん行えるメリットがあることがわかった。また需要の要望が高まるタイミングでの出荷調整出来ることから中間取引業者が集荷サービスまで行ってくれているようだ※適量多品種をいかに高単価で出荷出来る時期の加減を熟知している。
プロの技術と知識にプラスして悪条件下で磨かれた知恵と工夫が産み出した生産スキル。
年間雨量1,300ミリ(私の町では1,600ミリ程度)計算の中で梅雨、菜種梅雨など以外の水分ストレス調整を繊細に行っている。自然の水源がありそこからタンクを設置して落差撒水を行うなど無駄な労力や経費を省いている。難しく考えるわけではなくいたってシンプル。この方は立地条件をうまく逆手に考えている。
産地から離れた立地の悪い所では耕作放棄地は山ほどあるわけです。タダ(無料)で手に入る土地。補助金を活用すれば開拓も全額補助対象となるので協力者があれば2年で↓の写真の形になる。
かなり極端に言えば100円/kg取れれば勝ち。例えばその園地を貸し出すなどそんなモデルケースも夢ではないようです。通勤農家といった発想も・・・※詳細はまたいつか
地元のみならず有名店?です✨
生産された山椒がパンとコラボしています。
そして同一敷地内にはイタリアンレストランが併設され。実はミシュランガイドに載る名店なのです✨またいつか私も一人前の経営者になって予約したいものです?
さていかがでしたでしょうか?立地条件の中での知恵と工夫が産み出した適量多品種生産から高単価出荷。これ以上は実際に現地に足をお運び頂いて知見しなければ実感できないものであります。
お写真で紹介しましたレモンを保管する冷蔵庫は2トンまで入るようでビニールハウスの初期投資と比べると10分の1程度になるのではないでしょうか?考え方ですが高く売れるときに売る❗それだけです✨
頂いたリノカの苗木
さてー✨私もさっそくこの苗木の定植を行いいつか本格的に生産するならば設備投資の検討も考える価値がありと感じました。
雨量と点滴撒水はさっそく改植を予定している由良早生の園地で取り入れたいと思います。
?本日も最後まで読んで下さりありがとうございました✨